売る前に「一行」で決める

「あなたの商品って、何ですか?」

そう聞かれて、僕は3分くらい説明していました。

あれもできます。
これにも対応できます。
こういう人にも向いています。
こういう悩みにも使えます。

一生懸命説明しているつもりでした。

でも、話し終わったとき、相手の顔にはこう書いてありました。

「で、結局なに?」

その瞬間、気づきました。

商品が伝わらないのは、相手の理解力の問題ではない。
自分がまだ、一行で言えていないだけだったんです。

今日は、「売る前に、一行で決める」という話を書きます。

商品が売れないとき、多くの人は原因を別のところに探します。

値段が高いのかもしれない。
宣伝量が足りないのかもしれない。
デザインが弱いのかもしれない。
もっと実績を出さないといけないのかもしれない。

もちろん、それらが原因のこともあります。

でも、それ以前に見落としがちなことがあります。

それは、
「その商品が何なのか、一行で言えない」
ということです。

一行で言えない商品は、相手の頭に残りません。

聞いた瞬間に理解できない。
誰のための商品なのかわからない。
自分に関係あるのか判断できない。
買ったあとにどう変わるのか見えない。

そうなると、どれだけ丁寧に説明しても、相手は選べません。

人は、理解できないものを買いません。
そして、覚えられないものも選びません。

だから、売る前にまず決めるべきなのは、きれいなデザインでも、長い説明文でもありません。

一行です。

「これは、誰のどんな悩みをどう変える商品なのか」

この一行が決まっていないと、発信も販売ページも紹介文も、全部ぼやけます。

一行は、難しく考えなくて大丈夫です。

必要なのは、次の3つだけです。

誰の。
どんな悩みを。
どう変えるか。

たとえば、こんな形です。

「ノウハウを集めても不安が消えない人が、自分の軸を取り戻すための教材」

これで十分です。

名コピーである必要はありません。
かっこいい言葉で飾る必要もありません。
むしろ、最初は少し説明っぽいくらいでいい。

大事なのは、読んだ人がすぐに判断できることです。

「これは自分向けだ」
「これは今の悩みに関係ある」
「これを手に取ると、こう変われそうだ」

そう思える一行になっているか。

ここが曖昧なままだと、どれだけ文章を足しても伝わりません。

僕自身、昔は説明が長くなることを「丁寧に伝えている」と思っていました。

でも、本当は違いました。

説明が長くなるのは、商品が多機能だからではありません。
相手に合わせて親切に話しているからでもありません。

自分自身が、
「これは結局、何なのか」
をまだ掴めていなかったんです。

あれも言いたい。
これも伝えたい。
この人にも届けたい。
あの悩みにも対応できる。

そうやって全部を入れようとすると、結局何も残らない。

説明が増えるほど、商品の輪郭はぼやけていきます。

一行で言えないのは、言葉の問題ではありません。
理解の問題です。

自分が誰に届けたいのか。
どんな悩みを解決したいのか。
どんな変化を約束するのか。

そこが曖昧だから、説明が長くなる。

相手のために説明しているようで、実は自分の迷いを言葉で埋めているだけだったりします。

この手前にある「誰に届けるか」については、別記事「何を売りたいかわからない人が最初に考えること」にも書いています。

一行が決まると、不思議なくらい他のことも整い始めます。

まず、発信のネタが決まります。

誰に向けて書くのかが明確になるので、何を書くべきか、何を書かなくていいかが見えてきます。

次に、販売ページが書きやすくなります。

商品の説明、悩みの提示、得られる変化。
そのすべてが、一行から広げられるようになります。

さらに、導線も整います。

どの記事からどの商品に案内するのか。
どんな読者に何をすすめるのか。
どこでレビュー記事に誘導するのか。

一行があると、判断基準ができます。

逆に、一行がないままだと、全部が場当たり的になります。

今日の投稿はこの人向け。
明日の投稿は別の人向け。
紹介する商品もその場の気分。
導線もなんとなく置いているだけ。

これでは、読者も迷います。

売る側が迷っている商品を、買う側が自信を持って選ぶことはできません。

だから、一行はただのキャッチコピーではありません。

ビジネス全体の背骨です。

もちろん、最初から完璧な一行を作る必要はありません。

むしろ、最初から完璧を狙うと手が止まります。

まずは仮でいいです。

今の自分なら、この商品を一行でどう言うか。
誰のどんな悩みをどう変えるものなのか。
それを一度、言葉にしてみる。

そして、発信してみる。
反応を見る。
違和感があれば直す。
伝わらなければ言い換える。
届けたい人とズレていたら絞り直す。

その繰り返しの中で、一行は少しずつ鋭くなっていきます。

一行は、机の上だけで完成するものではありません。

読者の反応を見ながら、実際に言葉を出しながら、少しずつ磨かれていくものです。

だから、最初は仮でいい。

でも、仮でもいいから一度決めることが大事です。

一行がないまま走ると、発信も商品も導線も全部ぼやけます。
一行があると、迷ったときに戻る場所ができます。

「これは誰のための商品なのか」
「この人のどんな悩みを変えるのか」
「買ったあと、どんな状態になってほしいのか」

この問いに戻れるだけで、発信はかなり安定します。

売る前に、一行で決める。

それは、商品を小さく見せることではありません。
むしろ、商品の価値を相手に届く形まで絞ることです。

伝えたいことを全部詰め込むのではなく、まず相手の頭に残る形にする。

そこから、必要な説明を足していけばいい。

一行で言える商品は、伝わります。
伝わる商品は、覚えられます。
覚えられる商品は、選ばれやすくなります。

もし今、自分の商品を説明しようとして長くなってしまうなら、まずは一行にしてみてください。

誰の。
どんな悩みを。
どう変えるのか。

この一行が、発信と商品設計の軸になります。

この「一行=軸」を根っこから整理したい人には、『明鏡』が役に立ちます。

自分は誰に届けたいのか。
何を届けたいのか。
どんな変化を渡したいのか。

そこを整理したうえで一行を作ると、商品も発信もかなりブレにくくなります。

実際に読んだ感想は、別記事「『明鏡』レビュー」にまとめています。

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