「好きを仕事にしよう」
その言葉を信じて、僕は好きなことを発信し始めました。
自分が興味のあること。
話していて楽しいこと。
調べるのが苦じゃないこと。
ずっと考えていられること。
そういうものを発信していけば、いつか仕事になると思っていました。
でも、ぜんぜん仕事になりませんでした。
好きなことを書いている。
発信もしている。
自分なりに熱量もある。
それなのに、売れない。
申し込みも来ない。
仕事にもつながらない。
昔の僕は、そこでかなり迷いました。
「好きなことをやっているはずなのに、なぜ仕事にならないんだろう」
今ならわかります。
好きなだけでは、お金になりません。
好きなことが、誰かの悩みの解決に変わったとき、はじめて仕事になります。
今日は「好きを仕事に、がうまくいかない人の共通点」について書きます。
「好き」だけでは、人は財布を開かない
好きなことを発信するのは、悪いことではありません。
むしろ、続けるためには好きがあった方がいいです。
興味がないことを長く続けるのは、かなり苦しいです。
でも、ここで勘違いしやすいことがあります。
人がお金を払うのは、あなたの「好き」に対してではありません。
人がお金を払うのは、自分の悩みが解決することに対してです。
困っていることが楽になる。
できなかったことができるようになる。
迷っていたことに判断基準ができる。
不安だったことが少し整理される。
そこに価値を感じたとき、人はお金を払います。
だから、自分がどれだけ好きでも、相手にとって必要な形になっていなければ売れません。
ここがズレると、
好きなのに売れない。
熱量はあるのに反応がない。
発信しているのに仕事にならない。
という状態になります。
自分が楽しいことと、相手の役に立つことは別
昔の僕がやっていたのは、自分が楽しいだけの発信でした。
好きなことを、好きなように話す。
自分が気になったことを書く。
自分が面白いと思ったことを並べる。
自分の中では熱量がある。
書いている本人は気持ちいいです。
でも、読んだ人からすると、こう感じることがあります。
「で、自分には何の関係があるんだろう」
ここが抜けていました。
自分が楽しいことと、相手の役に立つことは別です。
もちろん、重なる場所はあります。
むしろ、そこを見つけることが大事です。
でも、何も考えずに「好き」をそのまま出しても、相手にとっての価値にはなりません。
読者が知りたいのは、あなたがどれだけ好きかだけではありません。
それによって、自分に何が起きるのか。
自分の悩みがどう軽くなるのか。
自分の生活や仕事がどう変わるのか。
そこです。
「自分が楽しい」と「相手の役に立つ」が重なる場所。
そこに仕事の種があります。
「好き」を誰かの悩みに翻訳する
好きを仕事にできている人は、好きなことをそのまま売っているわけではありません。
好きなことを、誰かの悩みに翻訳しています。
たとえば、カメラが好きだとします。
ただ「カメラが好きです」「写真が好きです」と発信しても、それだけでは仕事になりにくいです。
でも、
スマホ写真が暗くなってしまう人へ、きれいに撮るコツを教える。
子どもの写真をうまく残したい親へ、構図や光の使い方を伝える。
商品写真を自分で撮りたい個人事業主へ、最低限の撮影方法を教える。
こうなると、好きが誰かの役に立つ形になります。
整理が好きな人も同じです。
「片付けが好きです」だけでは弱い。
でも、
書類が散らかって仕事に集中できない人を助ける。
クローゼットが片付かない人に、捨てる基準を作る。
家計管理が苦手な人に、見える化の仕組みを作る。
こうなると、仕事になります。
好きはそのままでは商品になりません。
「誰の、どんな悩みを、どう変えるのか」
ここまで翻訳して、初めて売れる形になります。
→ この翻訳の手前は「何を売りたいかわからない人が最初に考えること」に書いています。
好きだけを軸にすると、自分中心になる
「好き」を軸にすること自体は悪くありません。
でも、好きだけを軸にすると、どうしても自分中心になります。
自分が何を話したいか。
自分が何を作りたいか。
自分が何に興味があるか。
自分が何を表現したいか。
もちろん、それも大切です。
ただ、仕事にするなら、もう一つ視点が必要です。
相手は何に困っているのか。
相手は何を知りたいのか。
相手は何を解決したいのか。
相手はどんな状態から、どんな状態に変わりたいのか。
ここを見ないと、発信は自己表現で止まります。
自己表現が悪いわけではありません。
でも、自己表現と仕事は別です。
仕事にするなら、相手の変化が必要です。
自分の好きなことを通して、誰かをどう変えられるのか。
そこまで考えることで、好きは仕事に近づきます。
好きは、続ける燃料としては最強
誤解しないでほしいのは、好きが無意味ではないということです。
むしろ、好きはかなり大事です。
好きだから調べられる。
好きだから続けられる。
好きだから人より深く考えられる。
好きだから、細かい違いに気づける。
これは大きな強みです。
ただし、好きはそのままでは商品の軸になりにくい。
商品の軸にするには、そこに「誰の役に立つか」を足す必要があります。
好き。
そして、誰かの悩み。
この2つが重なるところに、仕事の形があります。
好きだけでは弱い。
悩み解決だけでも、続けるのが苦しくなる。
だから、両方が必要です。
自分が続けられること。
相手が必要としていること。
この重なりを探すことが、「好きを仕事にする」の本当の意味だと思います。
好きを仕事にするには、軸がいる
「好きを仕事にしよう」という言葉は、間違ってはいません。
でも、そのまま受け取ると危ないです。
好きなことを発信すれば、そのうち仕事になる。
好きなことをしていれば、自然と売れる。
自分の熱量があれば、誰かが買ってくれる。
そう考えると、うまくいきにくいです。
必要なのは、好きの先にいる人を見ることです。
誰に届けるのか。
その人は何に悩んでいるのか。
自分の好きは、その人のどんな役に立つのか。
どうすれば、相手の変化につながるのか。
そこまで整理して、初めて「好き」は仕事になります。
昔の僕は、好きなことをそのまま出せばいいと思っていました。
でも、本当に必要だったのは、好きと相手の悩みをつなぐ軸でした。
好きなことがあるなら、それは捨てなくていい。
ただ、そのまま売ろうとしない。
誰のどんな悩みに役立つのかまで翻訳する。
そこから始めれば、好きは少しずつ仕事に変わっていきます。
→ 軸の作り方は『明鏡』レビューにも書いています。
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